Letter

海洋科学:サンゴ礁海域への二酸化炭素添加は群集の純石灰化を抑制する

Nature 555, 7697 doi: 10.1038/nature25968

サンゴ礁は世界中の数百万人に食料を提供するとともに、海岸を保護し、年間数十億ドルの観光収入を生み出している。サンゴ礁の基盤となる構造は、サンゴや藻類などの石灰化生物による長年の活発な生体鉱物化作用によって成長した、生物起源の炭酸塩構造体である。海洋酸性化は、サンゴ骨格の主要な構成鉱物である霰石(アラゴナイト)の飽和状態を低下させ、炭酸塩礁の維持に必要な炭酸イオンの濃度を低下させることで、サンゴ礁の慢性的な脅威となっている。石灰化の減退は、生物侵食および溶解の増進と相まって、今世紀中にサンゴ礁を純損失状態に追い込む可能性がある。生態系機能と生態系サービスの変化を予測する我々の能力は、結局のところ、群集規模および生態系規模の応答の理解にかかっている。過去の研究は主に個々の種の応答に注目しており、より複雑な群集レベルの応答は評価されてこなかった。本研究では、in situ二酸化炭素増加実験を行い、その結果を用いてサンゴ礁原の酸性化に対する純石灰化応答を定量化した。得られた海洋酸性化に対する群集規模の石灰化感受性の推定値は、我々の知る限り、自然環境での対照実験に基づく最初のものである。この推定値からは、近い将来に霰石の飽和状態の低下がサンゴ礁の生態系機能を低下させることを示す証拠が得られた。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度