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天文学:全天平均スペクトルにおける78 MHzを中心とする吸収プロファイル

Nature 555, 7694 doi: 10.1038/nature25792

初期宇宙で星が形成された後、それらの紫外線が最終的に始原的な水素ガスを透過し、21 cm超微細線の励起状態を変えたと考えられている。この変化が原因となって、宇宙マイクロ波背景放射の光子がガスによって吸収されスペクトルひずみが生じたと思われ、このひずみは現在、200 MHz未満の電波周波数で観測できるはずである。本論文では、全天平均の電波スペクトルにおいて平坦な吸収プロファイルを検出し、その中心周波数が78 MHzで、ベストフィットによって得られた半値全幅が19 MHz、振幅が0.5 Kであることを報告する。このプロファイルは、初期の星によって生じる21 cmのシグナルに予測されるものとおおむね一致するが、ベストフィットによって得られたプロファイルの振幅は、予測の最大値より2倍以上大きい。この食い違いは、始原的なガスの温度が予測よりかなり低かったか、背景輻射の温度が予測より高かったことを示唆している。天体物理学的な現象(星や星の残骸からの輻射など)では、この食い違いを説明できそうになく、宇宙論と素粒子物理学の標準模型に提案された拡張版の中で観測された振幅を説明できるのは、暗黒物質とバリオンの間の相互作用の結果としてのガスの冷却のみであると思われる。観測されたプロファイルの低周波数側の端部は、ビッグバンから1億8000万年後までに星が存在しており、ライマンα光子の背景放射を生成していたことを示唆している。高周波数側の端部は、その1億年後までにガスが輻射温度より高い温度に加熱されたことを示している。

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