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天文学:第一世代星によって明らかになった、バリオンと暗黒物質粒子との間の考えられる相互作用

Nature 555, 7694 doi: 10.1038/nature25791

宇宙の電波周波数スペクトルは、赤方偏移20程度にある原子状水素の遷移(波長21 cm線)に対応する強い吸収シグナルを示すと予想されており、この吸収は最初期に生まれた星々を起源としたライマンα放射に起因する。この21 cm線シグナルを、電波干渉計を使って得られるその全天平均スペクトルか変動分布のどちらかによって観測することで、宇宙の夜明け、つまり最初の天体物理学的な光源が作られた時代に関する情報を得ることができる。全球21 cmスペクトルに関する最新の観測では、既存のモデルによって予想される最大値より強い吸収が3.8標準偏差の信頼水準で明らかになっている。本論文では、この吸収が、第一世代の星からの放射と、暗黒物質との相互作用によって生じる宇宙ガスの過剰な冷却を組み合わせることで説明できると報告する。今回の分析から、宇宙の夜明け時の21 cm線の空間的変動は、これまで考えられていたより1桁大きかった可能性があり、暗黒物質粒子の質量は、数陽子質量より大きくなく、弱い相互作用をする重い素粒子に一般的に予想されている質量よりずっと小さいことが示された。さらに、暗黒物質が極めて非相対論的で、少なくとも中程度に冷たく、温かい暗黒物質のモデルから予想される始原的な速度を検出できる可能性があることも裏付けられた。これらの結果は、21 cmに基づく宇宙論を暗黒物質の検出手段として使用できることを示している。

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