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構造生物学:バイアス型アゴニストが結合したヒトGLP-1受容体–Gs複合体の位相板クライオ電子顕微鏡構造
Nature 555, 7694 doi: 10.1038/nature25773
クラスBのGLP-1(glucagon-like peptide-1)Gタンパク質共役受容体は、2型糖尿病と肥満の治療における主な標的である。内在性GLP-1ペプチドおよびその模倣体は、バイアスのかかった活性化作用、すなわち選択的な活性化機能が見られるので、治療結果が改善される可能性がある。今回我々は、ヒトGLP-1受容体について、Gタンパク質バイアス型ペプチドのexendin-P5およびGαsヘテロ三量体と複合体を形成した状態の構造を3.3 Åの全体分解能で決定した。細胞外表面では、細胞外ループ3と近位にある複数の膜貫通セグメントの配置が、今回のexendin-P5が結合した構造と、以前に得られたGLP-1が結合したGLP-1受容体の構造とで異なっていた。細胞内表面では、Gαs–α5ヘリックスがかみ合う角度に、上記の2種類の構造の間で6度の違いがあった。この差は、Gタンパク質ヘテロ三量体全体にわたって影響している。さらに、Gαsタンパク質のコンホメーション再編成の速度と範囲も、これらの構造間で異なっていた。今回の構造は、バイアス型活性化作用の分子基盤に関する手掛かりを与えるものである。

