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メカノケミストリー:静水圧下での立体的に制御されたメカノケミストリー
Nature 554, 7693 doi: 10.1038/nature25765
機械的刺激によって、化学反応のエネルギー地形が変わることがあり、反応経路ができるため、従来の化学を補完する合成戦略が得られる。こうしたメカノケミカル機構は、モデル反応として開環や再構成、解重合、ジスルフィド還元を用いて、引張応力下の一次元ポリマーにおいて広範に調べられている。これらの系では、引張力が化学結合を引き伸ばし、反応を開始させる。さらに、化学結合に直交する力は、結合の解離速度を変えることが示されている。しかし、こうした結合活性化機構は、等方的な圧縮応力(すなわち静水圧)下では実現されていなかった。本論文では、巨視的な等方性応力を分子レベルの異方性ひずみに変換できる工学的な分子構造体によって、等方的な圧縮によるメカノケミストリーを実現できることを示す。我々は、機械的に異質な成分、すなわち圧縮性の(「軟らかい」)メカノフォアと非圧縮性の(「硬い」)リガンドを持つ分子を設計・作製した。この「分子アンビル」では、等方的な応力によって硬いリガンドの相対運動が生じ、圧縮性のメカノフォアが異方的に変形して、結合が活性化される。逆に、立体接触した硬いリガンドは相対運動を妨げ、反応性が阻害される。我々は、実験と計算を組み合わせて、圧縮性が不均一な分子要素を組み込んだ金属–有機カルコゲ二ドにおける静水圧に駆動される酸化還元反応を実証した。この反応では、結合角の曲げや隣接鎖のせん断によって金属–カルコゲン結合が活性化し、 元素金属が形成される。今回の結果によって、調べられていなかった反応機構が明らかになり、特異性の高いメカノ合成を実行できる戦略が示唆される。

