Article
構造生物学:ピエゾ1チャネルの構造と機械刺激によるゲート開閉機構
Nature 554, 7693 doi: 10.1038/nature25743
機械刺激感受性のピエゾ(Piezo)チャネルは、真核生物の主要な機械刺激変換器(mechanotransducer)として機能している。だが、その構造や機械刺激によるゲート開閉機構はまだ解明されていない。今回我々は、マウスのピエゾ1について、3枚羽根のプロペラに似た構造をクライオ(極低温)電子顕微鏡を用いて決定し、機械刺激変換に関わるその構成要素の機能を明らかにした。アミノ酸配列には反復が見られないにもかかわらず、おのおのが4本の膜貫通ヘリックスからなる9個の反復単位が見つかり、我々はこれを膜貫通ヘリックス単位(THU)と命名した。THUは集合して、大きく湾曲したプロペラの羽根様の構造を形成している。末端の膜貫通ヘリックスが疎水性のイオン透過孔を取り囲み、その次に窓のような3つの細胞内開口部位と側面にある出入口が続き、そこには透過孔の特性を決定する残基が含まれている。中央の領域は細胞内に長さ90 Åのビームのような構造を形成していて、これはてこのように動き、C末端ドメイン、アンカー様ドメインやアウターヘリックスの境界面を介してTHUを透過孔に連結している。遠位のTHUの細胞外ループを欠失させたり、ビーム様構造中のアミノ酸残基の1つを変異させたりすると、ピエゾ1の機械刺激による活性化が障害される。まとめると、ピエゾ1は38本の膜貫通ヘリックスからなるトポロジー的に独自の構造と、機械刺激変換に特化した構成要素を持ち、それらがてこに似た機構で機械刺激に応じたゲート開閉を行うことを可能にしている。

