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有機化学:活性化されていない第三級C–H結合の部位選択的・立体選択的官能基化

Nature 551, 7682 doi: 10.1038/nature24641

複雑な有機化合物の合成は、官能基の反応の制御に依存していることが多い。最近、それまで反応性に乏しいと考えられていたC–H結合上で直接反応を行うことが可能になった。有機化合物の大半は似通ったC–H結合を数多く持っているため、部位選択性の制御は大きな課題の1つとなる。これまでで最も進歩した手法は基質制御の使用に依存するものであり、そうした手法では、基質がもともと反応性の高いC–H結合を1つあるいは配向基を1つ持っているか、特定のC–H結合が優先されるよう分子内で反応が行われる。触媒を用いて基質中のどの部位を官能基化するか制御することは、より汎用的だが困難な方法である。p450酵素はC–H酸化で部位選択性を示し、p450の骨格構造に起因して特定のC–H結合が鉄オキソヘム錯体の近くに配置され、官能基化される。遷移金属触媒を設計することによってp450の部位選択性の模倣を目指した研究もあるが、並外れて高いレベルの部位選択性の実現は困難である。最近我々は、最も接近しやすい活性化されていない(すなわち官能基の隣にない)第二級C–H結合を、ロジウムカルベン誘起C–H挿入によって部位選択的に官能基化する二核ロジウム触媒を報告した。今回我々は、全く異なる反応性プロファイルを示す別の二核ロジウム触媒について報告する。この新触媒は、第二級C–H結合ではなく、最も接近しやすい第三級C–H結合での精密な部位選択性を可能にする。我々は、この触媒を用いて、ステロイドやビタミンE誘導体などの天然物を修飾し、複雑分子の後期段階の官能基化にこの合成方法を適用できることを示す。今回の研究結果は、適切な触媒を選択するだけで、基質内のさまざまな場所で部位選択性を実現できることを示している。我々は、今回の研究に触発されてさらに精緻な触媒が設計され、触媒によるC–H官能基化の制御が複雑分子の合成に広く適用される戦略となると期待する。

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