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細胞生物学:リソソームのスイッチが引き金となって、線虫の不死の生殖系列のタンパク質恒常性が更新される

Nature 551, 7682 doi: 10.1038/nature24620

動物の個体は時とともに老化して死ぬが、不死の生殖細胞系列があるおかげで、種は無限に継続し得る。生殖系列が、ある世代から次の世代への損傷の伝達をどのようにして防いでいるのかは、いまだ生物学の根本的な疑問の1つである。今回我々は、受精前に生殖系列のタンパク質の恒常性を強化する、「リソソームスイッチ」を明らかにする。精子がないために成熟を停止している線虫の一種Caenorhabditis elegansの卵母細胞には、タンパク質の凝集など、タンパク質の恒常性崩壊の特徴が見られることが分かった。興味深いことに、受精が迫ると、精子が分泌するホルモンによって卵母細胞のタンパク質恒常性が回復する。この恒常性回復のカギとなるのは、液胞型H+-ATPアーゼ(V-ATPアーゼ)という、リソソームを酸性化するプロトンポンプの活性化である。精子は、V-ATPアーゼの合成を阻害する翻訳リプレッサーGLD-1を分解するシグナルを送ることにより、卵母細胞のV-ATPアーゼ活性を促進する。次に、活性化されたリソソームが代謝の変化を促して、分解のためにタンパク質凝集体を可動化し、包み込んで除去することにより、タンパク質の恒常性をリセットする。リソソームの酸性化はアフリカツメガエル(Xenopus laevis)の卵母細胞成熟の際にも起こることから、受精に備えて卵母細胞のタンパク質恒常性を高めるリソソームスイッチは、他の生物種でも保存されている可能性がある。

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