Article
遺伝子治療:トランスジェニック幹細胞を使用したヒト全表皮の再生
Nature 551, 7680 doi: 10.1038/nature24487
接合部型表皮水泡症(JEB)は、しばしば致死性となり得る重篤な遺伝性疾患であり、基底膜の構成因子ラミニン332をコードする遺伝子の変異により引き起こされる。生存しているJEB患者の皮膚や粘膜には慢性的な創傷が生じ、これらは患者の生活の質を低下させ、皮膚がんにつながる。今回我々は、命に関わる重症タイプのJEBに罹患した7歳児で、自己由来のトランスジェニック角化細胞培養により、完全に機能する全表皮を再生させたことを示す。プロウイルスの組み込みパターンはin vivoでも維持され、表皮再生はクローン選択を全く引き起こさなかった。クローン追跡から、ヒト表皮が、等しい能力を持つ前駆細胞によってではなく、ホロクローンとして検出される限られた数の長寿命な幹細胞によって維持されていることが分かった。これらの幹細胞はin vitroとin vivoで大規模に自己再生して前駆細胞を生み出し、最終分化した角化細胞を補給することができる。この研究で示した基本的枠組みは、他の幹細胞を用いたex vivoでの細胞治療と遺伝子治療の組み合わせに応用可能である。

