Article

腫瘍免疫系:炎症によって誘導されるIgA+細胞は抗肝がん免疫を解除する

Nature 551, 7680 doi: 10.1038/nature24302

がん発生初期に適応免疫が果たす役割については異論が多い。今回我々は、非アルコール性脂肪肝のヒトおよびマウスでは慢性炎症と繊維形成に伴って肝常在性の免疫グロブリンA産生(IgA+)細胞の集積が起こることを示す。このような細胞はPD-L1(programmed death ligand 1)とインターロイキン10も発現していて、肝臓の細胞傷害性CD8+ Tリンパ球を直接抑制する。このようなリンパ球は肝細胞がんの発生を防止し、腫瘍関連抗原に対するT細胞受容体レパートリーの一部を発現している。CD8+ T細胞が除去されると肝細胞がんの進行が促進されるが、IgA+細胞の生成を遺伝学的もしくは薬理学的に妨げると、肝臓での発がんが抑えられ、定着した肝細胞がんの細胞傷害性Tリンパ球を介した退縮が誘導される。これらの知見は、細胞傷害性CD8+ Tリンパ球活性化の炎症による抑制が、腫瘍促進機構として重要であることを確証している。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度