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神経科学:尾側脳幹内にある移動運動速度の制御回路

Nature 551, 7680 doi: 10.1038/nature24064

移動運動は、動物に、ある場所から別の場所に移動する能力を与える普遍的な行動である。古典的実験では微小電気刺激を用いて移動運動を促す脳領域を明らかにしてきたが、運動の企図に当たる高次中枢と実行に当たる脊髄内回路の間にあってカギとなる中継点のニューロン群の実体についてはいまだに議論が続いている。今回我々は、マウスの尾側脳幹に、移動運動に異なる影響を持つ機能的に多様なニューロン亜集団が含まれることを示す。これらのニューロン亜集団は、位置、神経伝達物質の種類、結合性によって識別可能である。特に、尾側脳幹の小亜領域である外側巨細胞性傍核(LPGi)内のグルタミン酸作動性ニューロン群は、高速の移動運動を行うのに不可欠で、上流の中脳移動運動領域のグルタミン酸作動性ニューロンから入力を受けて、移動運動速度を調整できることは重要である。それとは対照的に、さまざまな形の行動停止を誘発できるグリシン作動性の抑制性ニューロン群が、尾側脳幹の別の領域に存在している。解剖学的には、LPGiのグルタミン酸作動性細胞亜集団とグリシン作動性細胞亜集団の下降路は、それぞれ別個の脊髄内効果器回路と連絡していた。今回の結果から、尾側脳幹内の行動上相反する移動運動機能は、入り組んだニューロン亜集団の多様性が明らかにされていなかったために、これまで隠されていたことが分かった。我々は、脳幹内の特定のニューロン集団が運動プログラム実行時に、重要なパラメーターを提供する不可欠な基盤として働く仕組みを示す。

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