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神経科学:社会行動が同種の性に対応して神経集団表現を形成する

Nature 550, 7676 doi: 10.1038/nature23885

全ての動物には一連の生得的(本能的)行動が備わっており、こうした行動は訓練なしに実行可能である。そのような行動が、解剖学的に他とは異なっている神経回路や遺伝的に決められている神経回路を介しているのか否かは分かっていない。今回我々は、生得的な社会行動の基盤となるマウス視床下部内の神経表現が、社会的経験によって成形されていることを報告する。腹内側視床下部の腹外側亜区画(VMHvl)にあるエストロゲン受容体1を発現する(Esr1+)ニューロンは、齧歯類で交尾と闘争を制御している。顕微内視鏡を用いて、これらの社会行動を実行中の雄マウスのVMHvlにおいて、Esr1+ニューロンの活動を画像化した。性的および社会的経験のある成体の雄では、同種の雄と対した時と雌と対した時に、別個の特徴的な神経集団が活性化した。しかし、未経験の成体の雄では、雄と雌の侵入者によって活性化する神経集団はオーバーラップしていた。性特異的な神経集団は、マウスが社会的・性的経験を経るにつれ徐々に分離した。対面はしてもマウンティングや攻撃ができないようにしたマウスでは、神経集団の分離が起こらなかった。しかし、雌と30分間の性的接触を行うだけで、雄・雌の神経集団の分離が進み、24時間後には攻撃応答を起こすようになった。これらの観察から、生得的社会行動を制御する視床下部神経集団の形成に、予想外な社会経験依存的な成分のあることが判明した。より一般的には、今回の結果から、従来「固定配線」の系と見なされてきた進化的に古い深部皮質下構造に、可塑性と動的符号化があることが明らかになった。

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