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生化学:TOROIDがTORC1の活性を調節する

Nature 550, 7675 doi: 10.1038/nature24021

TOR(target of rapamycin)は真核生物のセリン/トレオニンキナーゼで、TORC1とTORC2という2種類の異なる複合体で機能し、細胞の成長と代謝を調節する。GTPアーゼは非生物的ストレス要因、栄養素、それに後生動物では成長因子によって生じるシグナルに応答して、TORC1の調節に重要な役割を果たすが、その働きはほとんど解明されていない。今回我々は、出芽酵母でグルコースが欠乏すると(それにより急激にTORC1のキナーゼ活性が失われる)、それが引き金となって同様にRag GTPアーゼ依存的なTORC1の急激な再分布が起こり、液胞膜周辺にほぼ均一に分布していたTORC1が、超解像光学顕微鏡で観察可能な、液胞に結合した1個の円筒形構造を形成することを報告する。精製したこれらの円筒構造のクライオ(極低温)電子顕微鏡画像を三次元再構成することにより、TORC1がオリゴマー化して、高次の中空らせん構造をとっていることが判明し、我々はこれをTOROID(TORC1 organized in inhibited domain)と名付けた。最近報告された哺乳類のTORC1の構造を、我々のらせん構造に当てはめてみたところ、オリゴマー化によって活性部位が立体的にふさがれることが分かった。この再構成の結果に基づき、グルコース欠乏に応答してTOROID形成とTORC1の不活性化を防ぐTOR1対立遺伝子を明らかにし、オリゴマー化がTORC1の不活性化に不可欠なことを実証する。これらの結果は、Rag GTPアーゼがTORC1の活性を調節する新しい機構を示しており、このような高次構造の可逆的な形成/解離が、プロテインキナーゼの調節機構として、正しく評価されていない可能性があることを示唆している。

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