Article
分子生物学:転写忠実度因子GreAはDNA切断修復を遅らせる
Nature 550, 7675 doi: 10.1038/nature23907
相同組換えはDNA二本鎖切断を修復するが、活発に転写されているDNAに対しても機能しなければならない。切断修復は染色体の喪失を防ぐので、修復を完了させることの方が損傷を受けた鋳型の転写よりも重要であると予想される。しかし、DNAの切断修復と転写伸長能との間の相互作用は分かっていない。今回我々は、転写因子GreAが大腸菌(Escherichia coli)で切断修復を抑制することを示す。GreAは、後退したRNAポリメラーゼを再開させることで、転写の忠実度を高める。GreAを除去すると、古典的なRecBCD–RecA経路を介した切断修復の顕著な増強につながることが分かった。我々は、エキソヌクレアーゼによる染色体の分解を測定する高深度塩基配列解読法を用いて、GreAが存在しないとRecBCDを介した切断が制限されることを示す。我々の知見から、RNAポリメラーゼの後退の増加は、カノニカルなChiシグナルの影響を受けずに、RecBCDがRecAの装填を引き起こすことで切断修復を促進すると考えられる。後退したRNAポリメラーゼが組換えを刺激できるという考えから、転写忠実度因子がゲノムの完全性を損なわせるというDNAの相互関係性についての難問が示された。

