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構造生物学:II型CRISPR–Casが、Cas1–Cas2を介したスペーサー組み込みを介して免疫を確立する仕組み

Nature 550, 7674 doi: 10.1038/nature24020

CRISPR(clustered regularly interspaced short palindromic repeats)と近くにあるCas(CRISPR-associated)オペロンは原核生物でRNAベースの獲得免疫系を確立する。外来DNA由来の短いスペーサー前駆体がCRISPRアレイ中に新しいスペーサーとして組み込まれると、分子記憶が生じる。さまざまなCRISPR–Cas系の間で、RNAをガイドとするCRISPR干渉の仕組みには大きな違いがあるが、スペーサー組み込みの仕組みは本質的に同一である。保存されたCas1およびCas2タンパク質が、インテグラーゼ複合体(離れた2個のCas1二量体をその間にある1個のCas2二量体がつないでいる)を形成する。スペーサー前駆体は2か所で分岐したDNAとしてCas1–Cas2に結合し、両末端に突き出た3′-OHが、組み込み反応の際に攻撃的求核剤として働く。スペーサー前駆体は、CRISPRアレイのリーダー配列に近い領域に選択的に組み込まれ、これを誘導するのは、リーダー配列と、CRISPRリピート中にある1対の逆方向反復配列である。詳しく研究されている大腸菌(Escherichia coli)のI–E型CRISPR系もIHF(integration host factor)を利用している。しかし、II–A型CRISPRでは、Cas1–Cas2だけによりin vitroで効率よくスペーサーが組み込まれ、他のCasタンパク質(Cas9やCsn2など)はスペーサー前駆体の生合成段階で補助的な役割を果たしている。今回我々は、腸球菌Enterococcus faecalisのII–A型系のCas1とCas2が、スペーサー組み込みの際にとる4つの一時的な構造を示す。E. faecalisのCas1–Cas2は3′側で4ヌクレオチドが突出した末端を持つ30塩基対の伸びたスペーサー前駆体に選択的に結合する。標的に出会うと、3つの分子事象が起こる。まず、Cas1–Cas2-スペーサー前駆体複合体が確率的に真ん中の位置(half-site)を探し、次にリーダー側のCRISPRリピート配列と選択的に相互作用して、最後に求核攻撃を触媒して、リーダーに近い反復配列の一方の鎖とスペーサー前駆体の3′突出部を連結する。スペーサーの真ん中の識別にはDNAの屈曲が必要であり、これが完全な組み込みにつながる。これらの知見を基盤として、段階的なスペーサー組み込み過程とリーダーに近い位置が選択される理由が機構の面から説明できる。

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