Letter
工学:構造設計のためのギガボクセル計算形態創生
Nature 550, 7674 doi: 10.1038/nature23911
補聴器から自動車や航空機まで、工業製品の設計においては、性能を最大にし、コストを最小限に抑えるように材料を配分する。歴史的に、機械設計の進化を促してきたのは人間の直観と洞察であり、最近ではコンピューター支援設計手法がこれを助けている。トポロジー最適化と呼ばれるコンピューター支援方法は、制限の無い設計自由度を可能にし、軽量化に関して大きな期待が持たれているが、現在の最適化方法の解像度に限界があるため、その適用性はこれまで単一部品か単純構造の設計に限定されてきた。本論文では、計算形態創生ツールをスーパーコンピューター上に実装し、以前報告されたものよりも2桁以上も高いギガボクセル解像度のデザインを生成したことを報告する。こうした解像度によって、既存のモデリングや最適化構造のスケールアップが課題であったためにこれまで実現不可能だった、構造内の材料の最適配分に関する知見が得られる。一例として、我々は実物大の航空機翼の内部構造の設計にこのツールを適用した。最適化された全翼の設計は、数十メートルからミリメートルまでの長さスケールで前例のない構造細部を有し、興味深いことに、自然界に存在する骨構造、例えば鳥のくちばしなどと著しい類似性を示した。今回の最適化された設計は、現在使用されている航空機の翼設計と比較して2~5%の質量の削減に相当すると見積もられ、これは航空機1機につき年間約40~200トンの燃料消費の削減につながる。今回示した形態創生過程は、機械設計だけでなく、フローシステム、アンテナ、ナノオプティクス、マイクロシステムにも一般的に応用できる。

