Letter

化学:金属有機構造体におけるスピン転移による協同的吸着機構

Nature 550, 7674 doi: 10.1038/nature23674

初期の結合事象がさらなる基質分子の取り込みを促進する協同的結合は、ヘモグロビンなどの生体系でよく見られる。協同的結合を示す多孔質固体は、従来の吸着材よりエネルギー的利益がかなり大きいことが最近示されたが、そうした材料の設計指針は現在ほとんど存在していない。原理的には、配位不飽和金属中心を持つ金属有機構造体は、ある部位に結合したゲストが電子的変換を引き起こして隣の金属部位の結合特性を変えるなら、選択的吸着材と協同的吸着材の両方の働きをする可能性がある。今回我々は、配位不飽和鉄(II)部位を特徴とする一連の金属有機構造体における一酸化炭素(CO)の選択的吸着を通して、この考えを例証する。こうした金属有機構造体材料は、隣接鉄(II)部位がしきい値CO圧より高い圧力でスピン状態転移する機構によって機能するため、わずかな温度変化で大きなCO分離能力を示す。結果的に再生エネルギーが非常に小さくなるので、フィッシャー・トロプシュ変換の効率を向上できる可能性や、現在COという汎用的な炭素シントンが十分活用されていない、産業廃棄物原料からCOをより高い効率で抽出できる可能性がある。我々が実証した協同的吸着の電子的原理は、さまざまな分離に適した効率の高い選択的吸着材を設計する一般的戦略をもたらす可能性がある。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度