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プロテオミクス解析:幹細胞の比較グリコプロテオミクスからリシン毒性に関与する新しい因子が明らかになる

Nature 549, 7673 doi: 10.1038/nature24015

糖鎖修飾はタンパク質への糖質構造の共有結合性の付加で、最も豊富に見られる翻訳後修飾である。ヒトタンパク質の50%以上が糖鎖修飾を受けており、さまざまな基本的生物学的過程でその活性を変化させている。糖鎖修飾の生物学的重要性にもかかわらず、複雑な糖タンパク質の発見や機能的検証はほとんど行われていない。今回我々は、新しい定量的手法を開発して、比較プロテオミクスのデータセットから無傷のグリコペプチドを特定した。これによって、複雑なグリカン構造の推定だけでなく、プロテオーム規模でそれらが関連タンパク質中のどの部位に位置するかの決定も直接行うことが可能になった。この方法をヒトやマウスの胚性幹細胞に対して用い、幹細胞のグリコプロテオームを明らかにした。この解析により、実験的に確認された糖タンパク質の数がほぼ2倍になり、これまで分かっていなかった糖鎖修飾部位や多数の糖鎖修飾された幹細胞性因子が突き止められ、胚性幹細胞において進化的に保存された糖タンパク質や、種特異的な糖タンパク質も明らかになった。我々の方法の特異性は、フコシル化に必要な酵素であるFut9およびSlc35c1に修復可能な変異を持つ姉妹幹細胞を用いて確認された。フコシル化が起きないようにすると生物兵器リシンへの耐性が生じ、フコシル化依存的な糖を持つタンパク質群が、リシン毒性をコードしていることを見いだした。これらのタンパク質の一部を破壊する変異により細胞はリシン耐性になることから、リシン毒性を統御する新しい因子が明らかになった。我々の比較グリコプロテオミクスのプラットフォーム「SugarQb」は、複雑な生物系でのタンパク質の糖鎖修飾やグリカン修飾について、ゲノム規模の手掛かりを得ることを可能にする。

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