生化学:cGASはタンパク質とDNAのはしご状構造をとりHMGB/TFAMが結合した長鎖のUターン型DNAを感知する
Nature 549, 7672 doi: 10.1038/nature23890
細胞内病原体から生じる細胞質DNAは、強力な自然免疫応答を開始させる。細胞質DNAが環状GMP–AMPシンターゼ(cGAS)によって感知されると、セカンドメッセンジャーである2′3′-環状GMP–AMP(cGAMP)が生じ、I型インターフェロンの産生が引き起こされる。cGASは特定の条件下で核やミトコンドリアの内在性DNAも感知でき、無菌性炎症の原因となる。cGAS二量体は20塩基対より短い2分子のDNAリガンドに並行に結合するが、20塩基対のDNAはin vivoではcGASを活性化できず、in vitroの活性化因子としては弱い。今回我々は、cGASがin vitroとヒト細胞の両方においてDNA長に強く依存する様式で活性化されることを示す。また、cGAS二量体はDNAとはしご状のネットワークを形成し、これがDNA長の協調的な感知につながることも分かった。つまり、DNA2分子の間に最初に組み立てられたcGAS二量体は効果を持たないが、これがひとたび形成されると、その後に隣接するDNAへのcGAS二量体の結合を促進する準備となる。重要なことに、細菌やミトコンドリアの核様体タンパク質であるHUやミトコンドリア転写因子A(TFAM)は、HMGB1(high-mobility group box 1 protein)と共に、cGASによる長鎖DNAの感知を強力に刺激できる。これらのタンパク質によって誘導されるDNAのUターンや屈曲が、cGAS二量体が核形成されるようにDNAの構造を決定する。我々の結果は、ミトコンドリアDNAや病原体ゲノムを感度よく検出するために、核となる構造の形成との協調を基盤とした機構があることを示唆し、HMGB/TFAMタンパク質がDNAを構造化する宿主因子であることを明らかにしている。以上のことから、特有のcGAS二量体構造が説明され、cGASは不完全な核様体様の構造や屈曲したDNAに優先的に結合することが示唆される。

