Letter

材料科学:金属二硫化モリブデンナノシートでできた電気化学アクチュエーター

Nature 549, 7672 doi: 10.1038/nature23668

電気エネルギーを力学エネルギーに変換するアクチュエーターは、さまざまな電気機械システムやロボット工学で有用であり、先端可動カテーテル、航空機の適応翼、抗力を低減した風力タービンなどに応用できる。アクチュエーションシステムは、熱、溶媒の吸着/脱着、(カーボンナノチューブ電極、グラファイト電極、ポリマー電極、金属などの系における)電気化学的作用などさまざまな刺激に基づいて動作し得る。本論文では、化学的に剥離した二次元金属二硫化モリブデン(MoS2)のナノシートを薄いプラスチック基板上に再び積み重ねて形成した電極薄膜の動的な膨張と収縮によって、相当の機械力が生じることを実証する。こうした薄膜は、電極の150倍以上の質量を数ミリメートル持ち上げて、これを数百回繰り返すことができる。具体的には、このMoS2薄膜は、約17 MPaの機械的応力[哺乳類の筋肉(約0.3 MPa)よりも大きく、セラミック圧電アクチュエーター(約40 MPa)に匹敵]と約0.6%のひずみを生成でき、1 Hzまでの周波数で動作できる。こうした作動性能は、 MoS2 ナノシートの金属1T相の高い導電率、再積された MoS2層の弾性率(2~4 GPa)、ナノシート間の高速プロトン拡散に起因する。今回の結果は、高変形用途や高周波用途の新しい電気化学的アクチュエーターにつながる可能性がある。

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