Letter

進化学:海洋生物に関する島の生物地理学

Nature 549, 7670 doi: 10.1038/nature23680

海洋島での生物の分布や進化に関する研究は、陸上の固有性は島の地理的側面および地質学的歴史によって生じ、これらの要素は共に海水準の変動と密接に関連しているという動的な見方へと進展してきた。こうした海洋島での多様化は、中立モデルに従い、ニッチが満たされるにつれて経時的に衰える、あるいは不平衡状態や前進則(progression rule)に従い、祖先系統の分岐(分岐進化)によって群島の経年とともに種の豊富さおよび固有性が増すと考えられている。しかし、海洋生物への科学的関心はこれまで比較的低く、そのため島嶼および海山の水域環境の進化過程は、いまだ明らかにされていない。今回我々は、海山および島嶼からなる火山列に固有なサンゴ礁魚類の進化史を分析し、これらの魚類の、島嶼の進化や海水準の変動との関係の解明を試みた。また、こうした進化史が島の生物地理学の理論にどのように適合するのかについても検証した。その結果、固有種の多くが最近(更新世に)進化したことが明らかになった。これは、海水準の変動が頻発し、海山が繰り返し海上に出現したことによって断続的な島嶼の接続があった時期であり、この知見は、一過性の生態学的な種分化過程と整合する。陸上の生物多様性に関する知見と同様に、我々のデータは、島嶼での海洋の種分化速度が移入速度と負に相関していることを示唆している。しかし、海生種は陸生種に比べて分散しやすいために、ニッチの多くは移入によって満たされており、種分化は分散能力の低い種のランダムな蓄積によって促進され、in situの分岐進化および適応放散の機会はほとんどない。さらに、海水準の変動および海山の位置が、主として島への移住のための飛び石を断続的に提供することにより、海洋での進化に極めて重要な役割を果たすことが確認された。

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