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量子物理学:地上–衛星間での量子テレポーテーション

Nature 549, 7670 doi: 10.1038/nature23675

任意で未知の量子状態は、正確に測定することも完全に複製することもできない。しかし、量子テレポーテーションを用いると、対象物が物理的に移動することなく、ある物体から他の物体へ未知の量子状態を確実に長距離転送できる。長距離の量子テレポーテーションは、大規模量子ネットワークや分散量子計算などのプロトコルにおける基本要素である。しかし、光ファイバーや地上の自由空間を介したこれまでの量子テレポーテーション実験では、チャネル(通信路)の光子損失のため伝送距離は約100 kmに制限されていた。地球規模の「量子インターネット」を実現するには、量子テレポーテーションの範囲を大幅に拡大する必要がある。衛星プラットフォームと宇宙空間リンクを用いる手法は、これを実現する有望な方法の1つである。この手法では、光子の伝搬経路の大部分が真空空間であり、チャネル損失を大幅に低減できるため、地球上の2つの遠隔地点を結ぶことができる。本論文では、地上観測所から最長1400 kmにわたる地球低軌道衛星へのアップリンクチャネルを介した、単一光子量子ビットの量子テレポーテーションについて報告する。我々は、リンク効率を最適化しアップリンクの大気乱流を克服するため、ビーム広がりが狭く、高帯域かつ高精度な補捉・指向・追尾が可能な、コンパクトで超高輝度のエンタングル光源を使用した。我々は、相互不偏基底の6つの入力状態を用いた量子テレポーテーションに成功し、0.80 ± 0.01の平均忠実度を得た。この忠実度は、(古典限界において)1量子ビットを1回コピーする場合の状態推定の最適値を十分に上回っている。信頼性のある超長距離量子テレポーテーションのための地上–衛星アップリンクの今回の実証は、地球規模の量子インターネットへの重要な一歩となる。

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