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化学:エネルギー物質である一連の金属ペンタゾレート・ハイドレート

Nature 549, 7670 doi: 10.1038/nature23662

単結合または二重結合の多窒素化合物は、二窒素(N2)に分解して、極めて大量のエネルギーを放出し得る。従って、多窒素化合物は爆薬や推進剤の候補として魅力的であるが、安定型化合物の状態で生成することは困難でもある。窒素だけを唯一の元素として含むポリ窒素という物質は、高圧ポリマー相の形で存在するが、周囲条件下では、準安定であっても、安定化効果のある他の元素が存在する場合にしか実現されていない。初期の多窒素化合物の例として、窒素だけからなる5員環を持つフェニルペンタゾール分子があり、1900年代に初めて報告され1950年代に特性評価された。アジドアニオン(N3)やペンタゼニウムカチオン(N5+)を持つ塩も知られており、その後、ペンタゾールアニオン(環状N5)を持つ化合物が多窒素化合物に加わった。つい最近、この化学種を含んだバルク物質が報告され、その後、この物質を使った初の例となる固体の金属–N5錯体が合成された。今回我々は、[Na(H2O)(N5)]•2H2O、[M(H2O)4(N5)2]•4H2O (M = Mn、 Fe、 Co)、[Mg(H2O)6(N5)2]•4H2Oという5種類の金属ペンタゾレート・ハイドレート錯体の合成と特性評価について報告する。これらの錯体は、Co錯体を除いて、分解開始温度が100°Cを超えており、優れた熱的安定性を示した。この一連の錯体では、イオン性または共有結合性の相互作用を通してN5イオンが金属カチオンに配位でき、水との水素結合相互作用を通して安定化されることが見いだされた。ペンタゾール–金属錯体は、そのエネルギー的特性と安定性を考えると、新種の高エネルギー密度物質となる可能性や、窒素だけからなるエネルギー物質の開発を後押しする可能性がある。また我々は、N5イオンは結合相互作用の観点から適応しやすいため、メタロセンの無機窒素類似体などの珍しい多窒素錯体の探索が可能になると期待する。

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