Letter
環境科学:干ばつからの回復の全球パターン
Nature 548, 7666 doi: 10.1038/nature23021
干ばつは、広範にわたって繰り返し起こる極端な気候事象で、人間と自然界の両方に大きな影響を与え、陸域の炭素シンクに悪影響を及ぼす。20世紀における干ばつ状況の傾向は不確かであるが、21世紀には多くの地域でより頻繁により過酷な干ばつが起こると予想されている。回復時間は、干ばつ後の生態系が干ばつ前の機能状態に戻るのに要する時間で、干ばつの影響の重要な指標である。しかし、干ばつからの回復とその時空間パターンに全球規模で影響を及ぼす要因は、ほとんど分かっていない。本論文では、総一次生産力に関する独立した3つのデータセットを解析し、干ばつからの回復時間は、さまざまな生態系にわたって気候と炭素循環のダイナミクスと強い関連があり、生物多様性や二酸化炭素肥沃化は二次的な要因であることを示す。今回の解析から、干ばつからの回復時間の時空間パターンに関する重要な知見も2つ得られた。1つは、回復時間が熱帯と北半球高緯度域(どちらも地球の気候システムにおいて脆弱な地域)で最も長いこと、もう1つは、干ばつの影響(活発に回復している生態系の面積と回復するまでの時間を用いて評価される)が、20世紀にわたって増大してきたことである。予想されるように、干ばつがより頻繁に起こるようになれば、干ばつが起こる間隔が干ばつからの回復時間より短くなり、生態系は永続的に被害を受け、陸域炭素シンクが広範囲で劣化する可能性がある。

