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分子工学:生きた細菌の集団のゲノム内にデジタル動画をCRISPR–Casによりエンコードする
Nature 547, 7663 doi: 10.1038/nature23017
DNAはデータを記録保存するための優れた媒体である。最近の取り組みから、合成したオリゴヌクレオチドをin vitroで組み立てることにより、DNAに情報を記憶させる可能性が示されている。DNAへの情報記憶について、時間経過とともにヌクレオチドを追加することで生細胞のゲノムに情報を書き込む能力は、比較的調べられていない。微生物のCRISPR–Cas免疫系は、Cas1–Cas2インテグラーゼを用いて、侵入してきたウイルスのヌクレオチドの内容を保存することで、適応免疫を発揮する。この系を利用すると、任意の情報をゲノムに書き込める可能性がある。今回我々は、CRISPR–Cas系を用いて、白黒画像のピクセル値と短い動画を生きた細菌の集団のゲノム内にエンコードしたことを報告する。この手法により我々は、この情報記憶系の技術的な限界を押し広げて、それらの制限を最小限にする戦略を最適化した。また、細菌の適応についての基礎生物学や、その技術的応用の両方の理解に関係するスペーサー獲得の塩基配列決定要因といった、このCRISPR–Cas適応系の基礎となる原理も明らかにした。この研究は、この系が生きた細胞集団のゲノム内に実用的な量の実データを記憶し、安定に保存できることを実証している。

