地球科学:コンゴ盆地中央部の泥炭地複合体の年代、広さ、および炭素貯蔵
Nature 542, 7639 doi: 10.1038/nature21048
泥炭地は、炭素が豊富な生態系で、地球の陸面の3%を覆っているだけにもかかわらず、土壌炭素の3分の1を貯蔵している。泥炭土壌は、水に浸った酸素欠乏状態の下で部分的に分解した有機物質が積み重なって形成される。泥炭の大半は、分解が妨げられずにゆっくり進む寒冷な気候地域に見られるが、泥炭堆積物は熱帯湿地林の一部にも見られる。今回我々は、世界で最も広い湿地林地域の1つである、コンゴ盆地中央部のCuvette Centrale窪地での野外測定の結果を示す。我々は、湿地林植生の下に広い泥炭堆積物を見いだした(泥炭は、少なくとも深さ0.3 mまで有機物を少なくとも65%含む物質と定義される)。放射性炭素年代は、泥炭が約1万600年前から集積し始めたことを示しており、この時期は完新世の初頭にアフリカ中部がより湿潤な状態になり始めた時期と一致する。これらの泥炭地は、河川の間の大きな盆地を占めており、主として雨水が流入する低栄養状態の降水涵養性系であるように思われる。泥炭層は、深さが最大で5.9 m、中央値で2.0 mと比較的浅いが、我々は、in situ測定データと遠隔測定データを組み合わせて、泥炭地の面積が約14万5500 km2(95%信頼区間:13万1900~15万6400 km2)であると推定しており、このことからCuvette Centraleは熱帯では最も広い泥炭複合体になる。この面積は、熱帯全体の泥炭量をまとめた最近の論文でコンゴ盆地について報告されている最大推定面積の5倍以上である。我々は、これらの泥炭地が約30.6 Pg(30.6 × 1015g、95%信頼区間:6.3~46.8 Pg)の炭素を地下に貯蔵していると推定しており、この量はコンゴ盆地全体の熱帯林の地上炭素貯蔵量と同程度である。Cuvette Centraleに関する今回の結果によって、全球の熱帯泥炭地の炭素貯蔵量の最良推定値は、36%増加して104.7 Pg炭素(最小推定値:69.6 Pg炭素、最大推定値:129.8 Pg炭素)になる。この貯蔵炭素は、土地利用の変化や将来の降水の減少に対して脆弱である。

