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神経科学:能動的恐怖反応と受動的恐怖反応の選択に関わる競合的抑制性回路
Nature 542, 7639 doi: 10.1038/nature21047
危機に直面したとき、生物の生存は、能動的なものであれ受動的なものであれ適切な行動が選択されるかどうかにかかっている。擬死は、進化的に保存された受動的な恐怖反応であり、齧歯類で恐怖や恐怖条件付けのニューロン機構の研究に広く用いられてきた。しかし、自然条件下の齧歯類は、逃走のような能動的な反応も示す。扁桃体中心核(CEA)は、恐怖条件付け反応の獲得や表出に不可欠な前脳構造であり、CEAの特定のニューロン亜集団が擬死行動で果たす役割はよく知られている。しかし、CEAが逃走行動にも関わっているか、能動的な恐怖行動と受動的な恐怖行動に関わる神経回路がCEA内でどのように相互作用しているかは、分かっていない。今回、マウスを条件付けして擬死か逃走かを切り替えるような行動モデルにおいて、in vivo光遺伝学手法と細胞外記録を用い、能動的恐怖反応と受動的恐怖反応は、相互に抑制し合う別個のCEAニューロンにより仲介されることを明らかにする。副腎皮質刺激ホルモン放出因子を発現する(CRF+)細胞は条件付け逃走を仲介し、ソマトスタチン陽性(SOM+)細胞の活性化は受動的な擬死行動を惹起した。また、条件付け逃走および擬死行動とのバランスは、CRF+ニューロンとSOM+ニューロンの間の局所の抑制性結合によって調節されている。このことから、脅威に対する適切な行動反応の選択は、2つの明確に区別される抑制性ニューロン集団の間の競合的相互作用を基盤としており、こうした回路モチーフが素早く柔軟な行動選択を可能にしていると考えられる。

