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生態学:温帯域の樹木限界付近では、温度が生態系特性を全球規模で変化させる

Nature 542, 7639 doi: 10.1038/nature21027

温度は、生態系境界の重要な駆動要因であり、生物多様性分布の重要な駆動要因でもある。山地系における標高の上昇に伴う温度の低下は、植物群落の生物多様性、代謝過程、および生態系ダイナミクスの主要な形成要因として古くから認識されてきた。温度勾配としての標高傾度は、気候温暖化に対する長期的な生態学的応答の予測も可能にする。標高上昇に伴う生態現象で最も顕著なものの1つは、森林から樹木のない高山ツンドラへの急激な植生移行である。しかし、こうした移行に対する地上部および地下部の応答が、全球規模で一貫しているかどうかは、未解決の問題である。生態系の特性に温度が及ぼす直接的および間接的な影響を解き明かすため、今回我々は、世界の7つの温帯地域で反復的に樹木限界移行帯の調査を行った。その結果、標高上昇に伴う温度低下は、樹木の葉中養分濃度には影響を与えないが、下層植物群落で重み付けされた植物窒素含有量を減少させ、それが全ての地域で下層植物群落の窒素・リン比の強い化学量論的収束を引き起こしていることが分かった。さらに、標高変化に起因する植物養分含量の変化は、土壌有機物含有量と質(炭素・窒素比)、ならびに土壌微生物的特性の変化とも関係していた。総合すると、植物群落および土壌特性に対する温度の直接的な制御と間接的な制御の実態を対照的な7地域で明らかにした今回の結果は、将来の温暖化により山地生態系(特に樹木限界の上昇を上回る速さで植物群落が変化する場所)において機能的特性が損なわれる可能性を示唆している。

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