天文学:高速電波バーストとそのホスト天体の直接的な位置決定
Nature 541, 7635 doi: 10.1038/nature20797
高速電波バーストは、継続時間がミリ秒の天文学的な電波閃光で、その物理的特性は分かっていない。高速電波バーストの到着時間が分散していることから、起源は銀河系外にあることが示唆され、既知のあらゆる短時間の電波トランジェントよりも電波光度が数桁大きいと推測される。これまでに検出された全ての高速電波バーストは、大型の単一パラボラ望遠鏡によって分角の精度で位置決定されており、それらの対応天体(放射源あるいはホスト銀河)を明らかにする試みは、フィールド源で同時に発生する変動あるいは特異なフィールド星やフィールド銀河の存在に依存していた。これらの試みの結果は、ホスト天体や多波長での対応天体との明確な関係性を示すには至っていない。本論文では、時間分解能の高い電波干渉法観測を用いてバーストを直接撮像し、現在知られている唯一の反復バースト源である高速電波バーストFRB 121102をサブ秒角で位置決定したことを報告する。我々の正確な位置決定によって、FRB 121102の起源は、非熱的放射と一致する連続スペクトルを持つ180マイクロジャンスキーの弱い持続的な電波源から100ミリ秒角以内にあることと、暗い(25等級)可視光対応天体が明らかになった。持続的な電波源のフラックス密度は、1日の時間スケールで約10%変動し、超長基線電波干渉計によって1.7ミリ秒角未満の視角度が得られた。我々の観測結果は、高速電波バーストの起源が銀河系内に存在することや、その放射源が明るい星形成銀河内に位置することとは矛盾する。むしろ放射源は、低光度の活動銀河核と同じ位置に存在するか、これまで知られていないタイプの銀河系外放射源であるように思われる。ホスト天体あるいは対応天体の位置決定と同定は、ガンマ線バーストや潮汐破壊事象を含む、他の種類の過渡的事象の起源や物理を理解するために不可欠である。しかし、他の高速電波バーストも同じように弱い電波放射と可視光放射の対応天体を持つのであれば、今回の知見は、直接的なサブ秒角の位置決定が、信頼性の高い関係性を得る唯一の方法である可能性を示唆している。

