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がん:転移開始細胞の脂肪酸受容体CD36を介した標的化

Nature 541, 7635 doi: 10.1038/nature20791

ほとんどのヒトがんでは転移を開始する細胞のアイデンティティーが分かっておらず、このことが抗転移治療の開発の妨げとなっている。今回我々は、ヒト口腔がんにおいて、間葉系遺伝子を過剰発現していないCD44bright細胞の亜集団が、細胞周期の進行が遅く、脂肪酸受容体CD36および脂質代謝遺伝子群の発現レベルが高く、そして転移の開始という特異な能力を持つことを明らかにする。パルミチン酸あるいは高脂肪食によって、CD36+転移開始細胞の転移能が、CD36依存的な様式で特異的に増強されることが分かった。中和抗体を用いてCD36を遮断したところ、ヒト口腔がんの免疫不全マウスモデルあるいは免疫応答性の同所マウスモデルで、副作用を全く生じることなく、ほぼ完全に転移が抑制された。臨床的に、CD36+転移開始細胞の存在は非常に多くの種類のがんで予後不良と関連付けられており、CD36の阻害はまた、少なくともヒトの黒色腫および乳がん由来の腫瘍では転移を阻害した。総合すると今回の結果は、転移開始細胞が転移の促進において、特に食餌性脂質に依存していることを示している。

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