Letter
光物理学:二次元半導体ヘテロ構造体における相関した蛍光の点滅
Nature 541, 7635 doi: 10.1038/nature20601
「点滅」つまり「蛍光の間欠性」とは、発光体の「オン」(明)状態と「オフ」(暗)状態がランダムに切り替わることである。これは、ゼロ次元の量子ドットや分子で幅広く研究されており、少ないが一次元系でも研究されている。一般に認められている量子ドットの点滅機構には、中性状態と帯電状態のランダムな切り替えが関係する(あるいは、電荷キャリアトラップのゆらぎを伴う)が、これは放射減衰と非放射減衰のダイナミクスを大きく変化させる。今回我々は、ファンデルワールス力によって弱く結合した2つの異なる遷移金属ダイカルコゲナイド(TMD)単層からなる垂直に積層した二次元半導体ヘテロ構造体において、新種の点滅効果を見いだしたことを報告する。ゼロ次元系や一次元系とは異なり、二次元TMDヘテロ構造は、明状態、中間状態、暗状態がランダムに切り替わる相関した点滅効果を示す。間欠的な層間キャリア移動過程に起因して、一方の単層が明状態になると、同時にもう一方の単層が暗状態になることが、蛍光相互相関分光分析によって示された。今回の結果は、2層のファンデルワールス・ヘテロ構造体から、電荷移動ダイナミクスや非平衡状態の物理を研究する特異なプラットフォームが得られることや、量子技術における相関した発光体として応用できる可能性を示唆している。

