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構造生物学:一本鎖RNAウイルスのゲノムとゲノム送達装置のin situ構造

Nature 541, 7635 doi: 10.1038/nature20589

ゲノムをタンパク質のキャプシドに詰め込み、次いで宿主細胞内に送達するのは、ウイルスの生活環における2つの基本的過程である。形成されたキャプシドにゲノムを詰め込む二本鎖DNAウイルスとは異なり、バクテリオファージMS2のような一本鎖RNA(ssRNA)ウイルスは、キャプシドとゲノムを同時に集合させる。しかし、この同時集合の構造基盤はよく分かっていない。MS2は、宿主である大腸菌(Escherichia coli)の「性線毛」(F線毛)を介して感染する。MS2はゲノム塩基配列が完全に解読された最初の有機体であり、翻訳時の遺伝子調節やRNA–タンパク質相互作用、RNAウイルス組み立てなどの研究に使われるモデル系である。MS2の3569塩基からなるプラス鎖ssRNAゲノムは、89個のコートタンパク質二量体がT = 3の二十面体格子を作るように配置されたキャプシド中に、1つの成熟タンパク質単量体と共に包み込まれている。成熟タンパク質は、感染時にウイルスがF線毛に付着し、宿主細胞内へウイルスゲノムを送達するのに関与しているが、ゲノムがどのように編成され、送達されるかは分かっていない。今回我々は、電子計数低温電子顕微鏡法と非対称再構成により決定された3.6 A分解能でのMS2の構造を報告する。我々はウイルスゲノムの骨格の約80%をトレースし、16個のRNAステムループについて原子モデルを構築し、多様な配列を持つこれらのステムループの15個ではRNA–コートタンパク質間相互作用の3つの保存されたモチーフが見つかった。ゲノムの3′末端にあるステムループは成熟タンパク質と広範囲にわたって相互作用している。成熟タンパク質は、6本のヘリックスを含むバンドルと6本のストランドが作るβシートだけからなり、ゲノム送達装置を形成し、89個のコートタンパク質二量体をつなげてキャプシドを作り出している。球形のssRNAウイルス中のゲノム–キャプシド間の相互作用がこのように原子レベルで記述されたことにより、宿主の性線毛を介したゲノム送達とssRNA–キャプシド同時集合の基盤となる機構に関する手掛かりが得られ、核タンパク質複合体とウイルスの起源との間のつながりに関する推測が導かれる。

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