Letter
量子物理学:量子ゆらぎによって電荷量子化を制御する
Nature 536, 7614 doi: 10.1038/nature19072
ミリカンは1909年に、電気的に孤立した系の電荷は電気素量eを単位として量子化されることを示した。弱く接続した小さな導体では電荷量子化が維持されるため、今日では単一電子を操作する回路が可能になっており、例えば、計測学、検出器、温度測定に応用されている。しかし、接続強度が高くなるにつれて、電荷の離散性は量子ゆらぎによって徐々に減少する。今回我々は、電荷量子化の完全な量子制御と特性評価について報告する。半導体を用いた調整可能な基本伝導チャネルを使ってマイクロメートルスケールの金属性島構造を回路へ接続し、電荷量子化の完全な発展を、非常に弱い(トンネル)接触から完全な(バリスティック)接触まで全接続強度範囲を走査しながら調べた。バリスティック極限に近づくと、電荷量子化は量子ゆらぎによって壊れ、量子チャネルを横切って反射される電子について残留確率の二乗根でスケールするのが観測された。このスケーリングは、現在理論で到達できる接続強度のさまざまな領域を越えて当てはまる。温度が高くなると、熱ゆらぎから、電荷量子化の指数関数的な抑制と普遍的な二乗根スケーリングが生じる。これは、全接続強度に対して成立し、予測と一致する。電気に関する量子法則の知識は、単一電子回路の改良とそれらの応用や、トポロジカル量子計算に適した金属–半導体ハイブリッドに関連するだけでなく、将来のナノエレクトロニクスデバイスの量子工学に不可欠になるであろう。

