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機械工学:潤滑油から生成される炭素系トライボ膜

Nature 536, 7614 doi: 10.1038/nature18948

運動する機械的界面は、一般に流体膜と固体「トライボ膜」によって潤滑され、隔てられており、こうした2種類の膜が組み合わさることで、すべりやすさと長い摩耗寿命が確保される。流体膜の有効性は潤滑剤の基油の粘度に左右され、運動部分の摺動接触の結果生成される固体トライボ膜の有効性は、潤滑剤中の耐摩耗添加剤(一般的にはジアルキルジチオリン酸亜鉛)の有効性に依存する。摩擦と摩耗を最小化することは依然として困難な課題であり、最近の取り組みでは無機ナノ粒子やイオン液体を混合して潤滑剤の耐摩擦特性や耐摩耗特性を向上させることに重点が置かれている。今回我々は、触媒活性を有するナノメートルスケールの結晶性摺動表面上での、基油分子からの解離抽出による炭素系トライボ膜のin operando形成について報告する。この方法では、基油から流体膜だけでなく固体トライボ膜も得られる。我々は、銅触媒を含むモリブデン窒化物またはニッケル触媒を含むバナジウム窒化物からなるナノ結晶触媒コーティングを調べた。構造的には、生成されたトライボ膜はダイヤモンドライクカーボンに似ている。接触圧1.3 GPaでボールオンディスク試験を行ったところ、こうしたトライボ膜によって、摩耗がほとんどなくなり、ジアルキルジチオリン酸亜鉛を用いた場合に生成されるトライボ膜よりも摩擦が小さくなることが明らかになった。反応性分子動力学シミュレーションとab initio分子動力学シミュレーションの結果は、コーティングの触媒作用によって潤滑油中の直鎖オレフィンの脱水素化と炭素–炭素骨格のランダムな切断が促進されることを示している。触媒作用によって生じた生成物は、再結合して核形成し、緻密な潤滑性アモルファストライボ膜に成長する。

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