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分子生物学:翻訳複合体プロファイリングにより明らかにされたリボソームのスキャニングおよびリサイクルの動態

Nature 535, 7613 doi: 10.1038/nature18647

メッセンジャーRNA(mRNA)の翻訳の調節は真核生物の遺伝子発現制御に重要である。調節性の入力は、mRNAの非翻訳領域(UTR)によって指定されており、翻訳開始を標的とすることが多い。開始には、mRNAの5′キャップ近くでの40Sリボソーム小サブユニット(SSU)、および関連するeIF(eukaryotic initiation factor)の結合が関与している。次にSSUは3′方向にスキャニングを行って、開始コドンを検出すると60Sリボソーム大サブユニット(LSU)と結合して、80Sリボソームを形成する。この開始モデルのスキャニングなどの動的な側面については、初期中間体を捕捉する方法がなかったため推測の域を出なかった。今回我々は、リボソームプロファイリング手法から開発した方法であるTCP-seq(translation complex profile sequencing)を用いて、酵母の生細胞での完全な翻訳サイクルの動態を明らかにした。5′UTRに沿ってSSUフットプリントを観察することでスキャニングを記録した。スキャニング中のSSUは、5′側に延びたフットプリント(最大約75ヌクレオチド)を持っていることから、出口チャネルから現れるmRNAとさらに相互作用して、前進を促進していることが示された。開始コドンでSSUフットプリントが合体して主要な3つの大きさ(19、29、37ヌクレオチド)になるときの開始複合体のコンホメーション変化を視覚化した。これらは同じ5′開始部位を共有するが、3′末端が異なっており、これらは開始コドンの認識に続いて、入口チャネルが開状態から閉状態に連続的に変化することを反映している。また、LSUが解離後、終止コドンでのSSUの「滞留」も観察された。我々の結果は、in vivoにおけるゲノム規模の直接的な証拠により、数十年にわたる生化学および構造研究に基づいて作られた翻訳の開始および終結の機構的モデルを裏付けている。我々の手法は、翻訳の全段階でリボソーム複合体を捕捉するもので、さまざまな細胞の状況での翻訳動態の研究に役立つであろう。翻訳の脱調節は疾患でよく見られ、例えば、SSUスキャニングは抗がん剤開発の標的である。TCP-seqは、病的状態におけるmRNA特異的な開始および治療に対する反応の違いを識別するのに有用であることが証明されると考えられる。

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