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微生物学:新規の抗生物質を産生して病原菌の定着を妨げるヒト共生細菌
Nature 535, 7613 doi: 10.1038/nature18634
全身性細菌感染症の大半は、人体表面に定着する通性病原菌によって引き起こされ、こうした病原菌には抗生物質耐性を持つものも多い。黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)の鼻腔内保菌は侵襲性感染を起こしやすいが、病原菌の定着を許容あるいは防止する機構はほとんど解明されていない。土壌微生物は抗生物質を産生して競争することが知られているが、ヒトの微生物相ではこれまで、そのような過程がほとんど報告されていない。今回我々は、鼻腔内のStaphylococcus lugdunensis株が、黄色ブドウ球菌の定着を阻止する新規のチアゾリジン含有環状ペプチド抗生物質「lugdunin」を産生すること、また、この抗生物質が、リボソームで合成されないヒト関連細菌由来の生物活性化合物の希少な例であることを示す。lugduninは主要な病原菌に対して殺菌効果があり、動物モデルにおいて有効で、黄色ブドウ球菌に耐性を出現させる傾向はなかった。ヒト鼻腔内のS. lugdunensisの定着は黄色ブドウ球菌の保菌率の大幅な低下と関連していたことから、lugduninあるいはlugduninを産生する共生細菌はブドウ球菌感染の防御に役立つ可能性があると考えられる。さらに、ヒト微生物相は新規抗生物質の供給源だと考えるべきだろう。

