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遺伝学:ミトコンドリアDNAと核DNAのマッチングが代謝の形を決め、健康な老化をもたらす

Nature 535, 7613 doi: 10.1038/nature18618

ヒトのミトコンドリアDNA(mtDNA)は、集団内での配列の多様性が非常に大きい。多くの研究によって、mtDNAのバリアントが老化や病気に関係する可能性が示唆されているが、そうした仕組みについて、分子レベルでの証拠は得られていない。ミトコンドリアを置換すれば、病気の原因となる卵母細胞mtDNAの伝播を防げる可能性がある。しかし、この技術の普及には、mtDNA配列の多様性や核にコードされたミトコンドリア遺伝子とmtDNAとのマッチングの生理学的意味の包括的な理解が必要である。コンプラスティック動物(1つの系統の核ゲノムを別の系統の細胞質へ導入した系統)での研究を行えば、同一の核ゲノムを持つがmtDNAバリアントは異なっている個体同士の比較が可能で、これまでにmtDNAの差異が生物の生理的性質に影響することを裏付ける証拠と否定する証拠の両方が得られている。しかし、このような研究のほとんどでは、コンプラスティックな状態が確認されておらず、若齢の動物だけに重点が置かれており、またミトコンドリアの影響が及ぶと思われる生理学的特性や表現型の多様性を全て網羅して調べてはいない。今回我々は、トランスクリプトミクスやプロテオミクス、メタボロミクス、生化学的、生理学的な研究に加えて表現型解析を行って、コンプラスティックマウスの性質をその一生にわたって系統立てて調べた。その結果、mtDNAのハプロタイプがミトコンドリアにおけるプロテオスタシス(タンパク質恒常性)と活性酸素種の産生、またインスリンシグナル伝達や肥満、さらにはテロメア短縮やミトコンドリア機能不全といった老化パラメーターに強い影響を及ぼし、それらによってコンプラスティックマウスの系統間で健康寿命に大きな違いが出ることが明らかになった。

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