Letter
人体発生学:in vitro接着ヒト胚の自己組織化
Nature 533, 7602 doi: 10.1038/nature17948
胚盤胞の着床は哺乳類の胚発生過程における重要な局面である。この時、細胞系譜の多様化、細胞運命の指定、および形態形成運動の協調的プログラムが、胚体外組織や胚本体の生成を確立し、妊娠や原腸形成の条件を決定する。基礎的および臨床的な重要性にもかかわらず、ヒトでのこの過程の解明は進んでいない。今回我々は、新しいin vitro系を用いた、ヒト胚の着床後発生についての研究結果を報告する。in vitro接着ヒト胚は自己組織化能力と自律性を持つことが明らかになった。発生初期の細胞系譜、タイミング、構造に関するヒト特異的分子シグネチャーが見つかった。胚は、胚盤葉上層の拡大、細胞系譜の分離、二層性胚盤の形成、羊膜腔や卵黄嚢腔の形成、栄養芽層の多様化など、正常な発生の重要な特徴を示した。我々の知見は、これらの発生事象の種特異性をはっきりと示しており、ヒト胚の胚盤胞期後の初期胚発生についての新たな知識をもたらす。さらに、我々の研究はヒトの初期妊娠損失に関する新しいモデル系を確立する。最後に、我々の研究は、疾患のモデル化や細胞補充療法のためにヒト胚性幹細胞を特定の細胞種に分化させるプロトコルの合理的な設計にも役立つと考えられる。

