Letter

大気科学:酸素の豊富な始生代の上層大気を示唆する古代の微小隕石

Nature 533, 7602 doi: 10.1038/nature17678

大酸化事変によって約24億年前に酸素(O2)濃度が大きく上昇するまで、地球の初期の大気には、現在の大気中O2濃度の0.001%以下のO2しか含まれていなかったことは、広く受け入れられている。初期地球のO2濃度が低かったことを示す証拠は複数存在するが、以前の観測は全て始生代の下層大気の組成に関連するものであり、これまでのところ始生代の上層大気の試料を得る方法は開発されていない。我々は、27億年前にゆっくりと堆積してオーストラリアのピルバラ地域に保存されていた石灰堆積岩から、化石微小隕石を抽出した。これらの微小隕石は、砂粒サイズの粒子が地球大気に侵入し、(大気密度が現在と同様であったと仮定すると)約75~90 kmの高度で融解して形成されたと、我々は提案する。本論文では、その結果生じた宇宙球粒の中にあるFeNi金属が、融解時に酸化され、急冷結晶化されて主に磁鉄鉱(Fe3O4)からなる樹枝状結晶の連結により球体を形成し、そのいくつかの粒子にはウスタイト(FeO)と金属が保存されていることを示す。我々の微小隕石の大気中酸化モデルは、始生代の上層大気の酸素濃度が、現在の地球の上層大気の酸素濃度に近かった可能性があり、一酸化炭素に対する酸素の比が、一酸化炭素による著しい酸化抑制を妨げるのに十分に高かったことを示唆している。この時期に由来する海底堆積物中の黄鉄鉱(FeS2)の異常な硫黄同位体(Δ33S)シグナルは、酸素に乏しい表層環境を必要とすることから、始生代における上層大気と下層大気の混合は極めて小さかったことを示している。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度