Article

核物理学:229Th原子核の時計遷移の直接検出

Nature 533, 7601 doi: 10.1038/nature17669

今日の最も正確な時間と周波数の測定は、光原子時計によって行われている。しかし、原子殻の遷移の代わりに核遷移を用いる原子核時計が、原子時計より優れている可能性が提案されている。現在利用できる技術を使って原子核時計として機能する可能性がある既知の核状態は、たった1つしかなく、それは229Thの異性核第一励起状態(229mThと表される)である。本論文では、この原子核状態の直接検出について報告する。この結果から、異性核の存在がさらに確かめられ、その崩壊パラメーターを正確に調べる基礎が築かれた。この直接検出に基づいて、異性核のエネルギーが6.3 eVと18.3 eVの間に絞り込まれ、229mTh2+の半減期が60秒以上であることが分かった。より正確な測定が実現できそうであり、原子核周波数標準の開発への道が開かれると思われる。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度