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神経科学:桿体–錐体の拮抗に基づく色覚神経回路

Nature 532, 7598 doi: 10.1038/nature17158

明るい光の下では錐体の光受容体が活動し、異なる視物質を持つ錐体からのシグナルの比較によって色覚が生じる。この比較は網膜で始まり、そこでは一部の網膜神経節細胞が、ある色の光によって興奮し、別の光によって抑制されるという「反対色」応答をする。薄暗い光の下では桿体の光受容体が活動するが、桿体は全て同一の視物質を持つため、色覚は生じない。代わりに、桿体のシグナルがさまざまな点で網膜の回路に組み込まれ、錐体のシグナルと相乗的に働くと考えられている。今回我々は、このような予測に疑問を投げ掛けるような、色覚に関わる新規な回路について報告する。マウスのJAMB(J-RGC)と呼ぶ網膜神経節細胞の遺伝学的に識別されたタイプは、紫外線(UV)に対してはOFF、緑色光に対してはONという反対色応答をすることが分かった。マウスの網膜には緑色に感受性を持つ錐体が存在するが、このON応答は桿体の方で生じる。桿体と錐体は共に、数十倍の範囲にわたる光強度での応答に関わっている。特に、この回路では桿体からのシグナルが錐体からのシグナルに拮抗する点は注目すべきである。齧歯類では、このUV-緑色チャネルは社会的コミュニケーションに役割を果たしている可能性があることが、環境中のスペクトル測定から示唆される。ヒトの網膜にもこの回路の構成要素が全て存在しており、薄明時の「青色シフト」のような、薄暗い所での色覚経験の一部は、この回路の働きとして説明できる。この遺伝学的に特定された経路の発見により、脳での色覚処理に注目する新たな研究が可能になるだろう。

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