微生物学:MIMIVIREはヴィロファージへの耐性を付与するミミウイルスの防御系である
Nature 531, 7593 doi: 10.1038/nature17146
巨大ウイルスでは、その発見以来、従来のウイルスの定義に疑いを投げ掛ける独特の特徴がいくつか明らかになっている。例えば、その大きくて複雑なゲノム、ヴィロファージによる感染が起こること、そして短い転位性遺伝エレメントであるトランスポヴィロン(transpoviron)の存在などである。今回我々は、59のミミウイルス株でヴィロファージ感染に対する感受性を調べ、ミミウイルスのB系統とC系統に感染できるが、A系統には感染できない独特のヴィロファージであるZamilonに対するミミウイルスの耐性の系統特異性を実証する。我々は、ミミウイルスが細菌やアーキアに広く存在するCRISPR(clustered regularly interspaced short palindromic repeat)–Cas系に類似した防御機構を持つという仮説を立てた。45の新しいミミウイルス株のde novo塩基配列解読を行い、合計60のミミウイルスゲノムでZamilonに特異的な塩基配列を探索した。A系統の株はZamilonに耐性を持ち、オペロン内にZamilonの反復配列が挿入されていることが分かったので、これを「MIMIVIRE(mimivirus virophage resistance element;ミミウイルスのヴィロファージ耐性エレメント)」と命名した。さらにその周辺の塩基配列を解析すると、この遺伝子座がCRISPR–Cas系に関連する防御機構に類似していることが分かった。この反復配列やMIMIVIRE遺伝子群をサイレンシングすると、ミミウイルスのZamilonに対する感受性が回復した。MIMIVIREタンパク質は、外来核酸の分解に関与する典型的な機能(ヌクレアーゼおよびヘリカーゼ)を持つ。このウイルスの防御機構であるMIMIVIREは、ヴィロファージ感染に対する核酸を基盤とする免疫に相当する。

