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がんの代謝:高脂肪食は腸前駆細胞の幹細胞性と腫瘍発生性を高める

Nature 531, 7592 doi: 10.1038/nature17173

肥満を促す食餌が組織の幹細胞や前駆細胞の機能をどのように変化させるのかは、ほとんど分かっていない。今回我々は、高脂肪食(HFD)で誘導した肥満が哺乳類の腸でLgr5+腸幹細胞の数を増やし機能を高めることを示す。機序としては、HFDが腸幹細胞と腸前駆細胞(非腸幹細胞)にぺルオキシソーム増殖因子活性化受容体δ(PPAR-δ)の安定したシグネチャーを誘導し、薬理学的にPPAR-δを活性化すると、これらの細胞に対するHFDの作用が再現される。HFDと同様に、腸オルガノイド培養体にHFDの脂肪酸成分でex vivo処理を施しても、これらのオルガノイド体の自己複製能がPPAR-δに依存する形で増強される。特に、HFDおよびアゴニストで活性化されたPPAR-δシグナル伝達は、前駆細胞にオルガノイド誘導能をもたらし、強化されたPPAR-δシグナル伝達によって、これらの前駆細胞は腫瘍抑制因子Apcの喪失後にin vivoで腫瘍を形成することが可能となる。これらの知見から、食餌によるPPAR-δ活性化が、腸幹細胞や腸前駆細胞の機能だけでなく、これらの細胞の腫瘍形成開始能も変化させる仕組みが明らかになる。

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