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がんゲノミクス:ゲノム解析から明らかになった膵臓がんの分子的サブタイプ
Nature 531, 7592 doi: 10.1038/nature16965
456例の膵管腺がんの統合的ゲノム解析により、32個の頻発性変異遺伝子が明らかになった。これらの変異遺伝子はKRAS、TGF-β、WNT、NOTCH、ROBO/SLITシグナル伝達、G1/S期移行、SWI/SNF、クロマチン修飾、DNA修復、RNAプロセシングという10種類の経路に集約される。発現解析からは、病理組織学的特性と関連する(1)扁平上皮型、(2)膵臓前駆細胞型、(3)免疫原性型、(4)内分泌外分泌異常分化型(aberrantly differentiated endocrine exocrine;ADEX)という4つのサブタイプが明らかになった。扁平上皮型腫瘍は、TP53とKDM6Aの変異、TP63ΔN転写ネットワークの上方調節、膵臓の内胚葉性細胞運命を決定する遺伝子の過剰なメチル化が多く見られ、予後不良である。膵臓前駆細胞型腫瘍は、膵臓の初期発生に関わる遺伝子(FOXA2/3、PDX1およびMNX1)を選択的に発現していた。ADEX型腫瘍では、KRASの活性化、外分泌(NR5A2およびRBPJL)、内分泌分化(NEUROD1およびNKX2-2)に関わるネットワークを調節する遺伝子の発現上昇が見られた。免疫原性型腫瘍は、後天性免疫抑制に関わる経路などの免疫ネットワークが上方調節されていた。以上の結果は、膵臓がんサブタイプの分子進化が異なっていることを示唆し、治療法開発の機会を明らかにするものである。

