地震学:上盤プレートが2011年マグニチュード9.0東北沖地震の地震時すべりを支配した
Nature 531, 7592 doi: 10.1038/nature16945
2011年3月の東北沖地震は、過去50年間に起こった地震では2番目に大きく(モーメントマグニチュードMw ≥ 9.0)、現代的な地球物理学的手法で記録された地震では最も新しい。入手可能なデータによって、地震破壊の力学が高分解能で絞り込まれ、単一の地震で断層がすべり得る範囲や、部分的に連結した巨大逆断層面の地震危険度に関するこれまでの知識に、疑問が投げ掛けられている。しかし、この地震の破壊範囲やすべりの大きさを支配した物理的特性や構造特性は、明らかになっていない。本論文では、地形残差と重力異常を用いて、東北日本沖の押しかぶせプレート(上盤プレート)の地質構造を絞り込んでいる。データから、上盤プレートの構造における南西–北東方向の急激な境界が明らかになり、重力モデルから、この境界をまたいで巨大逆断層の上の岩石の密度が南北方向に150~200 kg m−3増加していることが示された。この境界は、北部では花崗岩バソリスからなり、南部では付加複合体からなる地質テレーンが陸上で並ぶ中央構造線が、沖に向かって延長されたものであると、我々は提案する。中央構造線の北側の巨大逆断層は、地震間では固着していて、歴史的に巨大地震が起きており(1896年以降Mw > 7の地震が18回)、東北沖地震の際には40 mを超える最大すべりが生じた。対照的に、この境界の南側の巨大逆断層は、地震間のクリープ速度が大きく、1923年以降MJ(日本で使われている気象庁マグニチュード) > 7の地震を起こしておらず、2011年の地震時すべりも(たとえあったとしても)比較的小さかった。我々は、上盤プレートの構造特性と摩擦特性が、東北日本の巨大逆断層の連結と地震発生挙動を支配していると提案する。

