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進化生物学:キメラな原核生物起源を持つ宿主によるミトコンドリアの後期獲得

Nature 531, 7592 doi: 10.1038/nature16941

真核生物の起源は生物学における大きな難問の1つである。現在得られている証拠から、真核生物の最終共通祖先は細胞内の複雑な組織化など真核生物の特徴の多くをすでに備えていたことが示唆されている。その上、進化途上の中間体が存在しないため、真核生物のさまざまな形質が出現した相対的順序の解明が難しくなっている。ミトコンドリアは広く存在する細胞小器官で、アルファプロテオバクテリアの内部共生に由来する。ミトコンドリアが獲得されたのが、真核生物の出現過程の早い時期だったのか、それとも遅い時期だったのかについては諸説あって見解が一致していない。同様に、宿主となった細胞の正体や複雑さについても議論があり、モデルは宿主を単純な原核生物とするものから、すでに複雑な構造となった原始真核生物とするものまで幅広い。競合する諸説の大半は、単純な宿主へのミトコンドリアの内部共生が真核生物出現の原動力になったと考えるミトコンドリア早期獲得説と、ミトコンドリアの内部共生よりも前に細胞はかなり複雑化していたと考えるミトコンドリア後期獲得説の2群に大別される。本論文では、ミトコンドリアが後期に内部共生したことの証拠を示す。我々は、原始ミトコンドリアタンパク質の獲得時期が、真核生物の最終共通祖先の他のタンパク質よりも早いか遅いかを、系統ゲノミクス解析によって直接検証した。その結果、真核生物の最終共通祖先のタンパク質ファミリーのうち、アルファプロテオバクテリア系統のものとミトコンドリアに局在するものが、他の原核生物に起源を持つタンパク質や細胞内の他の場所に局在するタンパク質と比較して、それぞれの最も近縁な原核生物タンパク質に対する系統発生上の距離が最短となることが分かった。総合すると、これらの結果から長年の疑問を解くための新たな手掛かりが得られ、ミトコンドリアは、キメラな系統発生起源を持つプロテオームがすでに備わっていた宿主へと、遅い時期に獲得されたことが強く裏付けられた。我々は、ミトコンドリアの内部共生は真核生物の出現過程における最終段階の1つであり、この内部共生によってミトコンドリアを持つようになった真核生物は、それほど複雑になっていない真核生物に対して選択の点で決定的に有利になったのだと考える。

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