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進化生物学:祖先的脊椎動物の脳の複雑な領域化を裏付ける円口類からの証拠
Nature 531, 7592 doi: 10.1038/nature16518
脊椎動物の脳は極めて複雑であるが、その進化的起源はまだよく分かっていない。無顎類のヤツメウナギの胚の脳は、調節遺伝子の発現によって一般的に特徴付けられる特定の発生領域が欠如しているため、あまり複雑でない祖先的状態の脊椎動物脳を表すものと見なされていた。特に、ヤツメウナギの外套下部にHedgehogおよびNkx2.1陽性領域が存在しないことは、Nkx2.1の抑制で内側基底核隆起が欠損したマウス変異体と類似すると考えられていた。今回我々は、別の円口類群であるヌタウナギ(Eptatretus burgeri)の脳が、顎口類の脳と同様に、内側基底核隆起および菱脳唇に相当する2つの領域を発生させることを明らかにする。また、ヤツメウナギの幼生についてさらに詳しく調べたところ、ヤツメウナギにもこれらの領域が存在することが分かり、ヌタウナギと顎口類との収斂進化の可能性が排除された。従って、クラウン顎口類に見られる脳の領域化は、この分類群の進化的新機軸ではなく、5億年以上前に円口類と顎口類とが分岐する以前の最も近い脊椎動物の共通祖先までさかのぼるものである。

