Letter
宇宙論:高速電波バーストの母銀河
Nature 530, 7591 doi: 10.1038/nature17140
近年、遠方の銀河を起源とする、継続時間がミリ秒の電波信号が、いわゆる高速電波バーストとして発見されているようである。これらの信号は厳密な物理法則に従って分散され、この分散度は、重要な観測可能量で、赤方偏移の計測と合わせて、基礎物理学的な研究に用いることができる。全ての高速電波バーストで分散度が測定されているが、天球座標を精密に特定することが困難だったため赤方偏移の測定はこれまでできなかった。今回我々は、高速電波バーストの発見と、バースト現象から約6日間にわたって暗くなっていった電波変動天体を同定し、これを用いて母銀河を同定して、その銀河の赤方偏移をz = 0.492 ± 0.008と測定したことを報告する。分散度と赤方偏移を組み合わせることで、銀河間物質における電離したバリオンの密度をΩIGM = 4.9 ± 1.3%であると直接測定できた。これは、ウィルキンソン・マイクロ波異方性探査機による予測と一致し、いわゆる「見えないバリオン」の全てを含んでいる。約6日間継続したこの電波変動天体は、短時間のγ線バーストの残光とおおむね一致し、その存在と時間スケールは、パルサーからの巨大なパルスや超新星といった前駆天体モデルを支持しない。このことは、別の最近発見された高速電波バーストの解釈と対照的であり、少なくとも2種類のバーストが存在することを示唆している。

