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古生物学:ヒト族の歯のサイズの進化と成長は単純な規則に支配されている

Nature 530, 7591 doi: 10.1038/nature16972

ヒトとそれに最も近縁ないくつかの種(ヒト族)に見られる大臼歯のサイズ変動は、人類進化の見方に大きな影響を及ぼしてきた。全体的なサイズの縮小および第3大臼歯サイズの過度の小型化は100年以上前から指摘されており、こうしたサイズ縮小は食餌の変化や調理技能の獲得によって大型の歯や歯列への選択が低下したためだとされている。ButlerおよびDahlbergの報告以来、歯列に沿ったサイズ変動の系統的パターンは、哺乳類の歯、さらに特異的にはヒト族の歯における「形態形成勾配(morphogenetic gradient)」として記述されている。しかし、歯のサイズの制御基盤については解明が進んでおらず、仮説は形態形成場からクローン説まで多岐にわたる。本研究では、「ヒト族で歯のサイズの進化の仕方を支配する規則は存在するのか」という疑問に取り組んだ。ここで我々は、哺乳類で歯の相対的サイズに影響を与える活性化因子–抑制因子機構である抑制性カスケードが、ヒト族で下顎の犬歯より後方の全ての第一生歯(乳臼歯と永久大臼歯)に関して歯のサイズの標準パターンを形成するという説を提案する。この構成は形態形成勾配とも対応し、この勾配を生じ得る機構を最終的に示している。猿人(アルディピテクス属、アウストラロピテクス属、パラントロプス属など)では、歯のサイズのパターンが絶対的サイズによらず一定である。しかし、現生人類を含むヒト属の種には、歯のサイズ比と絶対的サイズとの間に密接な関連性が存在し、犬歯より後方の第一生歯の相対的サイズと絶対的サイズの両方を単一の発生パラメーターで説明できる。抑制性カスケードのパターン形成とサイズとの関係性に基づき、ヒト族では、犬歯より後方の第一生歯において、1本の歯の位置とサイズから同じ歯列にある残り4本の歯のサイズを予測することができる。今回の研究から、ヒトの歯に固有のサイズ比の進化を調べるための、成長に基づく予想が得られる。

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