免疫学:NEK7はカリウム流出の下流でのNLRP3活性化に不可欠なメディエーターの1つである
Nature 530, 7590 doi: 10.1038/nature16959
インフラマソームは、炎症に関与するカスパーゼの活性化を駆動する細胞内タンパク質複合体である。今までのところ、NLRP1、NLRP3、NLRC4、AIM2という4種類のインフラマソームが報告されており、これらは共通のアダプタータンパク質ASCを動員してカスパーゼ1を活性化し、その結果、成熟型のIL-1βやIL-18のタンパク質が分泌される。NLRP3インフラマソームは、NLRP3の遺伝性変異によって引き起こされるクリオピリン関連周期熱症候群(CAPS)とともに、後天性のいくつかの炎症性疾患の発症機序に関与するとされている。カリウム流出は、多くの刺激によって引き起こされるNLRP3インフラマソームの活性化に不可欠な共通段階である。広範な研究にもかかわらず、カリウム流出に応答してNLRP3活性化を引き起こす分子機構は解明されていない。今回我々は、哺乳類のNIMA-related kinase(NEKタンパク質)ファミリーに属するNEK7が、NLRP3結合タンパク質であり、カリウム流出の下流で機能して、NLRP3のオリゴマー形成と活性化を調節することを報告する。NEK7が存在しないと、NLRP3インフラマソームを活性化するシグナルに応答してカスパーゼ1の活性化やIL-1βの放出が起こらなくなるが、NLRC4インフラマソームやAIM2インフラマソームを活性化するシグナルではカスパーゼ1の活性化やIL-1βの放出に変化はなかった。NLRP3を活性化する刺激は、カリウム流出に依存する過程によりNLRP3–NEK7の相互作用を促進した。NLRP3はNEK7の触媒ドメインと結合するが、NEK7の触媒活性はNLRP3インフラマソームの活性化に重要ではないことが分かった。活性化マクロファージは、高分子量のNLRP3–NEK7複合体を形成するが、この複合体形成はASCのオリゴマー形成やASC凝集塊形成と共にNEK7が存在しないと起こらなかった。NEK7は、CAPS関連のNLRP3活性化変異(R258W)を含むマクロファージにおいて、カスパーゼ1の活性化に必要であった。野生型、Nek7−/−あるいはNlrp3−/−の造血細胞で再構築されたキメラマウスで、in vivoでのNLRP3インフラマソームの活性化にはNEK7が必要であることが示された。これらの結果は、NEK7が、カリウム流出の下流で機能して、NLRP3インフラマソームの組み立てや活性化を仲介する不可欠なタンパク質の1つであることを実証している。

